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村林 信行 院長

NOBUYUKI MURABAYASHI

優秀な医師や心理師たち、同じ悩みを持つ患者たち
たくさんの人と関わることが、回復の緒に

東邦大学医学部卒業。同大学心身医学研究室、聖路加国際病院心療内科勤務、横浜相原病院心療内科医長などを経て、2004年、大崎駅に「心療内科アーツクリニック大崎」を開院。昭和音楽大学非常勤講師、人間科学総合大学非常勤講師。「働く人の心療内科」(双葉社)、「知人がうつ病になったとき読んでおく本」(三輪書店)等、著書多数。

村林 信行 院長

村林 信行 院長

心療内科アーツクリニック大崎

品川区/大崎/大崎駅

  • ●内科
  • ●精神科
  • ●心療内科

大病院の外来をそのまま移設したような、規模の大きな心療内科を目指す

村林 信行 院長

こちらを開いたのは2004年、もう15年近く前ですね。開業前は東邦大学や聖路加病院などで心療内科に携わってきました。自分が開業するなら、そのような大きな病院がそのまま個人クリニックになったような、人もスペースも多くとったものをやりたいと思っていました。通常、開業医の心療内科というと、ひっそりと小さな部屋で、机がひとつあって、患者さんと医師がむきあって…というようなイメージですが、それとはまた違う、規模の大きなものですね。
というのは、そもそも心療内科というのはとてもニーズが高く、患者さんが多く集まるところでもあるので、まず比較的大きな規模が必要だったということがあります。そしてたくさんのスタッフがいるからこそできる診療というものがしたかったということもありますね。医師だけでなく臨床心理師も多くいて、十分なカウンセリングができる環境を作りたかったんです。空間的にも、診察室はもちろん、受付などもじゅうぶんに広々としたスペースを作りました。内装は温かみのある色を多用してリラックスできる場所ということも意識しました。
現在、医師は非常勤の先生が5人、臨床心理師は7人おります。毎週月曜には東邦大名誉教授の筒美先生が外来で診察してくださいます。優秀な医師や心理師が複数いることで多角的な視点が持てますし、患者さんの選択肢も増えます。もちろん、個人院ならではの患者さんと距離の近い、密な診察も意識しています。

患者同志が問題解決を話し合う集団カウンセリングが、回復に大きく役立つ

村林 信行 院長

そしてこの大きなスペースでグループ治療をやりたいと考えていました。主に鬱で休職中の方が対象なのですが、患者さん同志で小さなグループを作り、その集団でカウンセリングを行う、フォローアップグループという治療スタイルです。臨床心理師を交えて、日々の生活や、休んでいる間に考えたことなどをお互いに話し合います。
心の病は、同じ悩みを持つ他人と交流することで、回復を支えることができるのです。心の病気にかかった人はとにかく孤独になりがちで、それが回復を妨げます。ひとりでいると考えも狭くなり、それが固定化して新しい考えができなくなる。どんどん悪循環に陥ってしまいます。グループカウンセリングを行うことで、同じような悩みを持つ人たちと会い、お互いの話を聞くことで、悩んでいるのは自分だけはないという安心感が得られますし、また、これはそこまで深刻なことでもないのかな?という広く客観的な視点も得られます。人とのコミュニケーション能力も養われることで、社会復帰もしやすくなるという利点もありますね。
このフォローアップグループは認知行動療法という心理療法をベースにしています。まず自己紹介をして自分の困っていることを簡単に話し、それについての解決策をみんなで考えていく、という手順で行います。認知行動療法は、物事の受け止め方と行動を変えていくものです。なので、”他の考え方はできないのか?””違う行動をとるなら、どんなことができるか?”ということを話し合っていくわけです。他人を交えて話していくことで、自分ひとりで同じ療法を行うよりも何倍もの発見があります。1回1時間で、8回行います。
その他に、健康教室というレクチャーも行っています。鬱病になったばかりの人は、まずこれを受けていただき、鬱・不安という病気について学んでもらいます。だいたい患者さん2~3人に、心理師ひとりで1時間を2回。鬱・不安はどういう病気なのか、なぜなるのか、回復の方法は…鬱という言葉が普通に聞かれるようになった昨今ですが、それでも系統的に(筋道を立てて)からきちんと理解している人はあまりいません。ネットなどであやふやな情報を仕入れては惑わされて疑心暗鬼に…ということにもならないよう、ここで正しい知識を知っておくことは、回復の大きな助けになります。またこれは自分を客観的に知る助けにもなります。
これらは当院の治療の大きな特徴です。通常の診察、薬の処方ももちろん行います。

自分と違うものに過度に憧れるのは悩みの始まり

村林 信行 院長

当院のHPのコラムに、”健康とはどういう状態なのか”を書きました。病気ではない、日常生活が送れることを消極的健康と言いますが、ある研究によると、積極的健康は”色々なことに自分が関与する能力があると自信が持て、物事はどうにかなると楽観的な見通しが持て、そして時にはリスクのあることにチャレンジすること”と定義しています。well-being、自分の能力が発揮でき、充実した日々を送れていることが健康であり、私たちの目標でもあります。ただ、ではどうすればここに言われる通りになれるのか、となると簡単ではありませんし、みんながみんなそうならなければいけない、ということでもないとも思うんです。
日々、診療していて感じるのは、神経症の方というのは”違う自分になりたがる”ということです。全然違う人間だったら悩みはなくなるのに、と考えるんですね。でもこれは不幸の素です。だって絶対になれないんですから。そうではなくて、まず自分でいることを認める、自分を受け入れるという心持ちが大切です。偉大な人にならなくては、などと今の自分と別の理想を思い描くことが、悩みの始まりのように思えます。

いつかは住民の方が地域コミュニティで生き生き暮らせる拠点を作りたい

グループでの治療が効果的だと申し上げましたが、今後は地域コミュニティに関わることができないかと考えています。今、地域で生活していくことが注目されていますね。お祭りから小さな集会所で開催されるようなイベント、デイサービス…住んでる街の催しに参加して、ときには企画して、近隣の人たちとコミュニケーションをとることは、いきいきした日々を送るための大切な要素となるとみんなが気づいてきた。とくにシニアの方はそうですね。心も身体も活性化させるためには、なによりも人と関わらないと。なので、当院もそんな活動の一助になれないかと考えています。例えばここを、活動の拠点にする催しを企画したり。まだ少し先のことですが構想を練っているところです。ここはクリニックですが、病気の人も、そうでない人も、楽しく暮らせるために役立つ場所になれたらと思うんですよ。

これから受診される患者さんへ

最近は鬱が一般的な病気として認知されてきました。その分、患者さんも増えています。今は二十~三十代の鬱がすごく増えていて心配です。同じ鬱でもこれからどんどん仕事をしていく二十代と、たっぷり働いてきてリタイア後も考えるようになる中高年では、治療も違ってきます。当院は詳しい問診と診察、そして必要であれば個人やグループカウンセリングで、それぞれの人にあった治療をすすめていきたいと考えています。鬱病だけでなく、ストレスによって胃痛や頭痛など身体に出た症状もケアしていきますので、なにか気になることがありましたら、お気軽にいらしてください。大崎駅から直結した大崎ニューシティのクリニックモール内で、駅から近く便利です。

※上記記事は2018年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

村林 信行 院長 MEMO

  • 出身地:東京都
  • 趣味:旅行 格闘技観戦 とくにボクシング
  • 好きな本:新書。内田樹さんとか、とてもおもしろいですね。
  • 最近の旅行先:スリランカ。建物に光があたる様など、美しい国でした。

グラフで見る『村林 信行 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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